過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」桃子「先は長いっすねぇ」【安価】
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29: ◆uyhWeNAxHY[saga]
2014/09/02(火) 22:14:50.83 ID:t2HPLdpCo

ゆみ「あぁ。私も蒲原もそうだ」

ゆみ「――かといって、君たちセンバツ組を」

ゆみ「どうこうと言うつもりはないよ」

ゆみ「一部声の大きい輩もいるが、君たちが気にすることじゃない」

京太郎「…………」

 哀しげに眼を伏せて低く漏らす加治木先輩に
 気にしているのは、貴女の方じゃないかと
 喉から出かけた言葉を、俺はぐっと堪えた

 センバツだとか持ち上がりだとか
 それに関することが過去の先輩にあったのだろうか
 もしそれで悩んで――少なくとも迷っているのだとしても
 俺にはどうすることもできない……だろう。おそらく

 俺自身、自分の面倒を見るので手いっぱいというのもあるし
 限られた許容量――たった二つしかない両手で俺は
 桃子の手を取ったのだ。それを離すわけにはいかない

 ……離したくはない、から

ゆみ「変な空気にしてしまったな、スマナイ」

京太郎「いえ、大丈夫です」

 寧ろ、未だ何かに迷っているのだろう貴女に
 何もできないことこそ、俺は気にしてしまっていた

 そのまましばらく、会話をするでもなく
 ただお互いに無言のまま、談話スペースで本を読んでいた
 午後の授業の予鈴が鳴る前に加治木先輩は
 三年校舎は遠いからと、図書室を出て行った

京太郎「……ふぅ」

 一度息を吐いて、背もたれに沈み込む
 ふかふかのソファの感触が
 どこか現実離れしたようなものに感じられた



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