過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」桃子「先は長いっすねぇ」【安価】
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521: ◆uyhWeNAxHY[saga]
2014/09/18(木) 22:41:38.95 ID:IAzuaj3Po

 指定された時間……の、30分前に俺は集合場所に来ていた

 イメージと違って、銀座も普通の繁華街であった
 勿論普通と言っても、長野の普通からはぶっ飛んでいるが
 少なくとも思っていたよりは常識的な街並みで
 驚いたことといえば、建物の上半分がガラス張りになっているくらいだ

 デンマーク・ザ・ロイヤルなるカフェは
 建物の中央をぶち抜く道路に面した入口を持つ
 いかにもお洒落な外観の店で
 一介の高校生が一人で入るには
 かなりの覚悟と勇気がいるんじゃないか

 放たれるオシャンティオーラに気後れする自分
 罰ゲームか何かなのかと考え込む自分
 もうここまで来たらどうにでもなぁれと諦観する自分
 様々な自分が脳内円卓会議を実施する

 ワーワーぎゃあぎゃあ、ああでもないこうでもない
 屁理屈ばかりこねる脳内人格達に辟易する気分だ
 結局のところ、チキって足踏みしてるだけなんだから

 ……ま、そうは言ってもね?
 やっぱりこれほどお洒落な店であれば
 一人で入って行くのには勇気がいると思うんすよ
 しかも待ち合わせ相手が女性だと、さ

 あぁ……女性って響きに背徳感で悪寒が走る
 桃子、ごめんよ。本意じゃないんだこれは……
 お詫びといってはあれだけど
 ここのお菓子お土産にして帰ろう

 店の前で悶絶すること数分ばかし

 30分前だし、どうせ瑞原プロは来ていないだろ

 そう決めて俺はまた15分くらいしてから出直そうと
 店内をウィンドウ越しに軽く見渡して戻れターンしようとして

はやり「…………」

 ひぇっ

 牌のお姉さんがフォークを口に咥えこっちを見ている

 口から離れたフォークはケーキの乗った小皿に着地し
 ちろり、と唇を拭った朱色の舌が妙に色っぽくて
 不思議と目が離せず、食い入るように見つめてしまう

 そのまま満開の笑みを見せると彼女は手招き

 ――こっちに来いってことか

 もう逃げられはしない。覚悟を極めろ、俺



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