過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」桃子「先は長いっすねぇ」【安価】
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◆uyhWeNAxHY
[saga]
2014/09/04(木) 23:53:12.45 ID:vYGFJtEKo
京太郎「…………」
桃子「…………」
互いに無言で立ち尽くす
桃子は今更気恥ずかしくなってきたのか
俺の両手を胸に抱いたまま頬を赤らめて
表情を前髪の奥に隠している
俺は俺で、こんなにもストレートに
感謝の気持ちをぶつけられたのは
初めてのことであったから
なんて声をかけたらいいのかも分からず
てきとうに頬を掻いてやり過ごそうにも
両手は桃子のヒンヤリとした
――それでいて、温かい両手に抱き留められていて
どうしようもなく、ただ立ち尽くしていた
廊下に差し掛かった夕陽の光と
窓越しに聞こえるグラウンドの声だけが
時間すらも支配してしまった錯覚を
抱いてしまうほど静かな空間で
俺たちは向き合って連れ立ち
桃子「あっ……」
京太郎「ぅ……」
目と目が逢ってしまった
たったそれだけのことなのに
どうしようもなく熱を持ち始める
自身の顔は、横に逸らそうにも
まるで釘付けになったように桃子の顔から
視線を外すことができないでいた
やはり互いの間に言葉はなく
見つめ合いだけがその場にある要因で
これは……もしかすると、もしかするんじゃないか
なんて浮かれた期待がもうもうと膨れてきた
俺の身体は、一歩、桃子に向かって歩み寄る
軽く仰け反って肩を震わせたのも数瞬
桃子も、俺に身体を預けるように一歩近づいた
先ほどよりも、ずっと近く触れ合う俺たち
視線はそのままに、お互いの目と目が繋がりあったまま
どちらからともなく、ゆっくりと
僅かに残された距離を縮めていく
――できる限り近くに相手を感じていたい
今頭の中を占める思考はそれだけだった
人が人を愛おしく思う上で当然の欲求
俺は桃子に抱き留められていた両手を優しく外すと
片方の手で桃子の身体をギュッと
自分に向かって抱き留める
桃子「……ふわ」
より一層お互いの隙間がなくなり
桃子の吐いた甘い息がかかって
心臓の音が猛然と動きを活発化させた
頬を上気させ黒髪を揺らし
僅かに潤んだ眼に瞼が落ちたことで
俺の期待は現実のものとなった確信に
飛び上がりたいくらいの嬉しさが
早くしろと急かすのを強引に押さえつけ
ゆっくりと、最後の一線を踏み越えた
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