過去ログ - にこ「夢を諦めたスクールアイドル」
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10: ◆GKcmsITYJ1lx[sage saga]
2014/09/02(火) 05:23:38.19 ID:7m1fkSii0
亜里沙『ぶー。お姉ちゃんはどうしてそんな酷いこというの』
絵里「だって普通の高校生の踊りなんて、どうせ素人の遊びでしょ?」
亜里沙『それは……お姉ちゃんにとってはそうかもしれないけど』
絵里「だったら大したことないわよ」
亜里沙『でも、一生懸命頑張ってるんだよ?』
絵里「人の趣味をとやかく言うのは気が引けるけど、遊びよ」
亜里沙『なんでそんなこと言うの!? お姉ちゃんは踊るの辞めちゃった癖に!!』
絵里「――」
亜里沙『あ、ごめん。亜里沙ついカッとなって。お姉ちゃんに酷いこと言っちゃった』
絵里「ううん、バレエを辞めたのは本当のことだもの」
亜里沙『亜里沙……お姉ちゃんの踊る姿が好きだった。誰よりも輝いてた』
絵里「それも幻想よ。私は常に誰かの下だったもの」
亜里沙『それでも亜里沙にとっては一番だったもん』
絵里「ありがとう。その言葉だけでバレエを頑張ってた意味があったわ」
亜里沙『もう踊らないの?』
絵里「踊らないわ。自分の限界まで頑張ったもの」
亜里沙『スクールアイドルになればお姉ちゃんが思ってた限界の上まで行けるかもだよ?』
絵里「それは絶対にありえないことよ」
亜里沙『……亜里沙にはお姉ちゃんが今も踊りたがってるように感じる』
絵里「今日の亜里沙は疲れてるみたいね。長電話になっちゃったからそろそろ切るわ」
亜里沙『いつかお姉ちゃんと一緒に踊りたいな』
絵里「それじゃあ、こっちはもう真夜中だから切るわね。お休みなさい」
亜里沙『おやすみなさい。……亜里沙、日本に行ったら――』
絵里(何故か亜里沙の言葉を最後まで聞くのが怖くて電話を切っちゃったわ)
絵里「……今も私が踊りたがってる、か。そんな筈ない」
絵里「私のダンスはあの日、トウシューズを捨てたことで終わったの」
絵里「踊りたくなんてないんだから。……嘘なんかじゃ、ないわ」
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