過去ログ - 【モバマス×ニンスレ】「ライク・シング、ライク・ダンス」
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2014/09/08(月) 04:29:45.22 ID:phbKrh7ho
チヒロはアクマじみた囁きを男の耳元で繰り返す。
それは男の心を絶望感でジワジワと塗りつぶしていく。
「そうそう、あなたには協力者もいるそうですね。大勢で攻めて来られても困りますし、早いうちに探しだしてスレイさせておきましょう」
以下略
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2014/09/08(月) 04:39:52.75 ID:phbKrh7ho
「あなたの才能は実際惜しい」
チヒロはもったいぶって言った。
「そのカラテのワザマエ、熱いソウル。どれをとっても野良のプロデューサーにしておくのは惜しい。どうですか?ここで働きませんか?」
以下略
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2014/09/08(月) 04:51:49.85 ID:phbKrh7ho
「ああ!もちろん、フミカ=サンとは一緒に働けませんよ?」
チヒロの最高のスマイルから放たれた止めの一撃を食らった男の心は完全に砕かれ、がっくりとうなだれたまま涙を流し続けた。
「フミカ……すまない」と守りきれなかった担当アイドルへの謝罪を繰り返しながら。 108
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2014/09/08(月) 04:59:45.51 ID:phbKrh7ho
その様子を見たチヒロはこの日一番の哄笑をあげた。
男がブザマな姿を見せていることに満足したキークローゼットはサギサワを引っ立てて行こうとする。
そのサギサワは、見知らぬ相手であるはずの男に顔を向けて、涙を流していた。
以下略
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2014/09/08(月) 05:00:45.23 ID:phbKrh7ho
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2014/09/08(月) 05:17:11.84 ID:phbKrh7ho
サギサワはうたた寝から目が覚めた。
どれくらい寝てしまっていただろうか。
周りはまだ闇の中であり、それほど長い間寝てはいなかったようだ。
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2014/09/08(月) 05:22:05.51 ID:phbKrh7ho
何かを忘れてしまったような、何か大切なことを……
思い出そうとすると頭の奥に痛みが走り、体が思い出すのを拒否するかのようだ。
サギサワは諦めて元のように窓に頭を預けて目を閉じた。
以下略
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2014/09/08(月) 05:28:48.03 ID:phbKrh7ho
すると、目に入ってきたのは、水で濡れて黒くシミが出来た読みかけの本だった。
いつからこんな本を読んでいただろう。分からない。
開いたページにはメルヘンな挿絵が描かれている。
以下略
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2014/09/08(月) 05:39:43.07 ID:phbKrh7ho
それを見た途端、前にもこの本を読んだデジャヴに襲われた。
記憶の糸をたどってもそんなことは決してないのだが、どこか懐かしさと安らぎを感じるのだ。
この本をどこかで……。 114
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2014/09/08(月) 05:40:43.94 ID:phbKrh7ho
夜明けまではまだ遠く、寄る辺を失ったサギサワの周りには空虚な闇がいつまでも渦巻いていた。
彼女はその闇の中を、あるはずのない記憶を求めてさまよい続けるのだった。 115
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2014/09/08(月) 05:41:57.70 ID:phbKrh7ho
(第一部「ネオプロダクション炎上」より:)
(「ライク・シング、ライク・ダンス」 終わり)
(「ザ・パーフェクト・デイ・フォー・ブックフィッシュ」に続く)
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