過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:50:12.49 ID:cp5pogPl0
 勇者の腕を抱いたまま、女戦士は勇者を無理やり引きずってゆく。

 村人達も茫然とその姿を見送っていた。

村人(男)「相変わらずだな……あいつは」

 村人(男)は苦笑する。

 あいつの前では、勇者だろうが、なんだろうが、関係ないのか

女戦士「ただいまー」

 勇者の腕を片腕に抱いたまま、女戦士が自宅の扉を開いた。

男の子「お帰り…おねーちゃん」

 ベットで横たわる小さな男子が、弱弱しい笑顔で出迎えた。

勇者「……」

女戦士「もう聞いて、おねーちゃんすごい人と知り合いになったの! 誰だと思う?」

男の子「えー誰かなぁ、コホ、コホ」

 男の子は小さく咳こむ。

勇者「……特有の疫病かなにかか?」

 毒や、病気、感染症なら村の神父が直すことができる。 この世界で病弱で床に伏せている人間など、勇者は今まで見たことがなかった。

女戦士「ううん、もともと、体が弱いの」

勇者「……」

 その一言に、勇者は眉を寄せる。

弟「お姉ちゃん、誰?」

 弟が、姉と話し込む男を見、そう尋ねる。

女戦士「あー気づいちゃった?」

弟「いや、そんなに堂々とされたら誰でも気づくよ…」

女戦士「なんと! この方は! あの! 伝説の! みんなの憧れ! 勇者様なのです!!」

弟「え」

勇者「!」

弟「わー、すごい…本物なの?」

女戦士「本物本物! 直に戦いを見た私が言うんだもん! 剣の達人である私が何が起こってるかわからなかったんだから間違いないって」

弟「剣の達人っていうのは引っ掛かるけど、そこまで言うなら本物なんだね…」

勇者「…」

弟「ねぇ、お姉ちゃん」

女戦士「ん?」

弟「ちょっと…勇者様と、二人で話をさせてくれないかな」

女戦士「え? なになに? 内緒の話?」

弟「うん…ちょっと男同志で話がしたいんだ、お願い」

女戦士「えー、気になるなぁ、まぁいいか、可愛い弟の頼みだし、お姉ちゃんは買い物がてら退散するとするよ」

弟「ありがとう」

女戦士「いーえ、ごゆっくり」

 女戦士は、そういうと扉を開け、外へとでた。

 扉が閉まる。

女戦士「……」




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