過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:58:09.24 ID:cp5pogPl0
女戦士「……!」

 扉を開けたすぐ横で、腰の剣に手をかけた女戦士と目があった。

勇者「…騙しうちでどうにかなると思ったのか?」

女戦士「……まっさかー、ただ、このまま帰して大丈夫かなーって思っただけよん」

 女戦士はそういって悪戯っぽく笑う。

勇者「村人から、襲われそうになったのも、初めてだよ」

 勇者はそういって苦笑する。

女戦士「あら、そうなの?」

勇者「ああ、恥ずかしい話、今まで考えもしなかった、こんな人間がいる……いや、こんな人間になれるんだな」

女戦士「…ん?」

 女戦士は、言葉の意味がつかめず、眉を寄せる。

勇者「ずっと、避けてた、勝てないと思ったから、もう万策尽きたと思った」

女戦士「??」

勇者「だけど、君たちのおかげで、俺はまた、挑むことができそうだ」

女戦士「えーっと、勇者さん?」

勇者「――ヤツらを倒す策を、思いついた」

 勇者は、口にした、今まで口にできなかった言葉を、いまこの時確かに口にしたのだ。

女戦士「え? 今、なんて?」

勇者「ありがとう、君たちのことは他言しないから安心してくれ」

 勇者はそういってほほ笑むと、転移魔法で飛び去って行った。

 女戦士は勇者の消えた空を唖然と見あげる。

 空を駆ける勇者、その目は、失いつつあった光が輝きを取り戻していた。




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