過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
1- 20
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 21:35:03.86 ID:YtpFI3Ae0
女の魔王(……妙だ)

 勇者を痛めつけながら、女の魔王は眉を寄せた。

勇者「おおおおおっ」

 口から血反吐を吐きながら迫る勇者の拳が空を切る、女の魔王の手刀が、勇者の腕を両断した。

勇者「がぁ」

 勇者は顔を歪めながらも、失った腕を回復魔法により再生させる。

 女の魔王の蹴りが、勇者のみぞおちにめり込む。

 空中にかちあげられる勇者。

 女の魔王は極限まで手加減した魔法弾を勇者に向け放った。

勇者「!?」

 勇者は気が付く、勇者を囲うように四角い魔力の結界が張られていることに。

 魔法弾が勇者に着弾する。

 その四角い立体型の結界の中ではち切れんばかりの魔力の爆発が発生する。

 その爆心源、結界内で閉じたエネルギーをまともに受けた勇者の体は、原型を失うほどに裂けた。

 黒焦げ、べちゃりと音を立て、床に倒れる勇者。

女の魔王「……」

 ピクリと、勇者の指が動いた。

 勇者の体が、黒い光に包まれ、傷が一瞬で癒える。

 ゆらりと立ち上がる勇者。

 その目が、赤く変色していることに、女の魔王は気が付く。

 先ほどから、勇者の放出する魔力の質が変わってきている理由を、女の魔王はこの時理解した。

 勇者の指が動いた瞬間、自分の魔力が若干ながら減った感覚があった。

 つまりこの家畜は、家畜の分際でありながら、こちらの魔力を吸収している。

 その魔力を糧に体を回復させ、戦闘を長引かせているのだ。

――だが何のために? 

 どれだけ魔力をため込もうと自分の出力では到底勝ち目などないと、この戦闘でわかったはずだ。

 なのに…なぜ?



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
194Res/182.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice