過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
1- 20
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/03(水) 21:55:54.35 ID:0i+UKr460
僧侶「あー」

勇者「……」

 教会の個室で、床にペタリと腰をつけ、だらしなく涎を垂らしながら、彼女は天井を見つめていた。

勇者「…僧侶」

僧侶「うー…あー」

 僧侶は応えない、ただ天井を見つめてうめき声を上げる。

勇者「……」

 この5年の旅だってつらかった。

 辛いことがたくさんあった。

 でも、みんなで協力して乗り越えることができたんだ。

 でも……でも

 あんな……拷問を受けたことはなかった。

 死ぬ方がマシと思えるようなことは……なかったんだ。

 仲間がいたから。

 体が動けたから。

 死んでも……教会で目覚めることができたから

 彼女も、信仰を捨てるよう、迫られたのだろう。

 でも、人一倍信仰の強かった彼女は、どんな拷問を受けてもそれを捨てることはしなかった。

 心を犠牲にしても……っ

 俺のおごりだ。

 俺の作戦ミスだ。

 死なないことにあぐらをかいた、俺のミスだ。

勇者「僧侶……すまない…ッ!」

 勇者は、うつろな瞳で天井を見上げ、ただ声を漏らす僧侶の前に項垂れた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
194Res/182.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice