過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/05(金) 23:35:54.04 ID:Zt2BxoPL0
 魔王の間の扉が開く。

 同時に魔王は自分の周囲に30の光球を召喚し周囲に浮遊させる。

 勇者が雄叫びを上げ迫る。

 まず15の光弾を、勇者へ向け放つ。

 対し、勇者の体が発光した。

魔王「!?」

 勇者へ向け放たれた光弾が、勇者に着弾する前にすべて爆ぜた。

 勇者が魔王へ向け地面を蹴る。

 勇者が魔王との距離を詰めると同時。

 魔王の周囲、残った15発の光球が勇者へ向け迫った。

 同時、魔王はバックステップ。

 そして先ほどの発光を意味を知る。

 魔王の目がとらえた。勇者の体から放射状に放たれる雷撃を。

 それが、迫る光球をすべてを蹴散らしたのだ。同時に光による目くらましの効果も、この距離になって初めて魔王は知った。

 目を細める魔王へ向け振るわれる刃を、魔王はすんでのところで避ける。

 この勇者、ただやみくもに襲ってくるだけではなく、学習能力が備わっている

 この事実に魔王が舌打ちする。

 放射上に拡散した雷撃にそこまでに威力はない、しかし、目くらましと、若干のダメージが鬱陶しい、加えて先の戦闘で有用だと判断した光弾の戦果が期待できない。

 また一から戦闘を組み立てなおさなくては

 勇者の振るう刃を屈んで回避、勇者は勢いもそのままに体を回転させながら、第二、第三の斬撃を次々繰り出してくる。

 まるで黒い竜巻のように体を回転させ、二刀の刃が無駄なく魔王を襲う。

 その二刀の刃を魔力を込めた腕で捌き、勇者の懐へ踏み込む魔王。

 同時、勇者が放射雷撃、その攻撃に、魔王の体が刹那ぎょっと停止する。

 その一瞬の隙――しかし、魔王の放射暗黒魔法が、勇者の体を吹き飛ばした。

 床を滑りながらも足を踏ん張り、勇者の体が停止――矢のように迫る魔王の蹴りが、勇者の腹部に突き刺さった。

 口から血を吐き出しながら、勇者は後方へ吹き飛び、壁に体を激突させる。

 魔王は、以前と同様、連続蹴りで終わらせようとするが――

魔王「ち」

 勇者の移動は早かった、激突した壁の反動を利用して移動し、魔王から距離を取る。

 先ほどの蹴りを、後方へ飛ぶことでダメージを軽減し、回避できる余裕を持ったか

 同じ手は通じない? ならば、次の手を出すまでだ。

 喉を鳴らすような唸り声をあげ、魔王の出方をうかがう勇者。

 対し魔王は、屈みこみ、自分の影の中に手を入れた。

 影からすくい上げられる等身大程に巨大な斧。禍々しい装飾の施された、漆黒の魔力をほとばしらせる斧だ。

 勇者は、その危険性に本能的に気が付いたのか、じりと半歩後退した。

 その背後に、魔王

勇者「!?」

 魔王はバックステップを踏み、斧を振るう。

 斧の刃は勇者に触れない、しかし斧から放たれる黒い斬撃の衝撃波が、勇者の体に直撃した。

 黒い魔力がほとばしる、漆黒の爆発の爆心地、黒い煙を上げながら勇者の体が膝から崩れ落ち、地面に倒れた。



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