過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/06(土) 23:09:19.84 ID:wtpJ9iTZ0
魔王「もう一つ、話しておこう、女神についてだ」

勇者「!」

魔王「そもそも、なぜ余が人間界に攻撃を仕掛けるかわかるか?」

魔王「女神…神族の力は、人間の信仰心から得られるからだ」

勇者「…!」

魔王「魔族はな、鼻から人間界の支配など興味はないのだよ、神族の家畜を駆除し、力を弱めたところを叩く作戦なのさ」

勇者「……」

 家畜、その言葉が、いやに耳に残る。

 家畜だから…助けてくれない?

 家畜だから…こんな目にあっても、細々構っていられないってことか?

 いや、だとしたらおかしいはずだ、いうなれば人間は食糧、それが今なくなろうとしているときに、神が干渉してこないのはおかしいではないか

魔王「一つ言っておくが、神は干渉しているぞ」

 勇者の思考を読み取ったかのように、魔王は言った。

勇者「!」

魔王「人間界が一つだけだとでも思ったのか?」

勇者「……!?」

魔王「より人口の多い世界では、神の使いである天使と魔物が熾烈な戦いを繰り広げている、この世界は、数ある人間界の中でもっとも小さい世界だ」

勇者「……ッ」

魔王「神はこの世界をとっくに見放しているのさ、だからこそ、余はここで人間界の研究が行えているわけでもあるがな」

勇者「……」

魔王「いかに自分が小さい存在か、わかったか?」

勇者「……」

魔王「さて、本題に入ろう」

 魔王はそういうと、片手を上げた。

 うめき声を上げる肉団子が、魔物に運ばれ牢の前に並べられる。

勇者「…っ」

 魔王がパチンと指を鳴らすと肉団子が人間の形へと戻った。

 皆ぐったりしている。

 突然の苦痛からの解放、しかし、体は震え、うまくコントロールできないようだった。

 そんな中で、最も長い期間肉団子として過ごしてきた女が、弱弱しく勇者を見、そして言った。

女「勇者…様……助げて…」

勇者「っ」

魔王「連れて行け」

 魔王の命令を受け、魔物が五人を引きずっていく。

魔王「勇者、一日待つ、明日、信仰を捨てていれば、あの者どもは生かしたまま元の村に返そう、約束する」

勇者「……ッ」

魔王「もし、信仰を捨てていなければ、五人はまた肉団子だ、そしてまた、貴様に恩のある者をさらい、ここに連れてくる、貴様が信仰を捨てるまで、何度でもだ。 わかったな?」

 魔王はそれだけ言うと牢を後にした。



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