19: ◆Y8r3fq/FrY[saga]
2014/09/05(金) 20:33:57.30 ID:uOVaR5g6o
――――
「……そして私は穂乃果の勢いに負け、スクールアイドルの加入を余儀なくされたんです。」
「……先輩も大変なんですね」
「そうでもないですよ。
なんてたって生まれる前から幼なじみですから。こんなこと日常茶飯事みたいなものです。」
優しい笑顔をしながら園田先輩はそういった。
生まれる前から幼なじみ……か。
私もそんな友達がいたらこんなひねくれてなかったのかな。
「そして2週間前のあの日、私とことりは穂乃果に呼び出されて音楽室に向かったんです。」
「あの日……私は先輩たちなんて見てませんけど…」
「ええ、私達が隠れて見ていただけですからね」
「なんで入ってこなかったんですか?」
もしかして私の様子がおかしいかったせい…?
その姿を見られてたとしたら少し恥ずかしい……
「それは……貴女が勢いよく音楽室を出る少し前に穂乃果が用事を思い出して私とことりを置いて帰ってしまったんですよ……」
「おかしな人ですね…」
「ええ…そのおかげで貴女が出ていく前に部屋には入れず、ことりと二人で呆然と立ち尽くしてましたよ」
思わず口角が上がる。
こんな人がそばにいたら自然と場の空気とか和むんだろうなぁ…
「…おや?」
「どうかしました?」
突然園田先輩がニッコリする。
「ようやく笑いましたね?」
これが園田先輩こと海未との出会いだった。
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