過去ログ - 希「死なんといてね、ことりちゃん」ことり「知らないの?…私は死なない」
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◆Qe7X7xrNvI
[saga]
2014/10/02(木) 00:33:02.52 ID:ZhD9akc7o
「げほっ、げほっ…。ご、ごめんな、さい…」
ちょっとでも粗相をすれば、追い出されると思って萎縮した。…けど。
彼女は笑いながら、いいのよ、と言ってくれた。
「あなた、名前は?」
すこし落ち着いてから出た彼女のセリフに、私は戸惑った。
名前なんて、ない。
今まで、誰かに名前を呼ばれたことなんてなかったから。
必要ないもの、だったから。
そんなことを、しどろもどろに言ってみた。
すると。
「…」
「家族も…、いないの、ですか?やっぱり…」
頷く。
彼女は、そういうのは孤児、っていうのだと、教えてくれた。
近頃は育児放棄をする親が多くて、日々孤児は増え続けている。
その頃のは私にはいまいち理解はできなかったけど、彼女はそういう子たちを救うための活動をしていると。
まぁ、なんとなくはわかった。
仕事だから、私に声をかけてくれたのか。
そうでもなければ、こんなに汚い私を家に上げるわけ無い。
でも、仕事でもそういうことをしてくれる人がいて、素直に嬉しかった。
「本来なら、私の経営する孤児院に送るところなんだけど…ね」
彼女がいうには、私は特殊らしい。
親も、住んでいた場所も、名前すらないなんて、とても珍しいと彼女は唸った。
そういう子は孤児院に入れても孤立しやすいとかなんとか。
じゃあやっぱり、捨てられるのかな、なんて思ってたら。
またまた、予想もつかないことをこの人は言い出したのだった。
「じゃあ、うちで暮らしましょう」
本当にその日は、私にとって初めてのことばかりだった。
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