過去ログ - 希「死なんといてね、ことりちゃん」ことり「知らないの?…私は死なない」
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306: ◆Qe7X7xrNvI[saga]
2014/10/02(木) 01:30:55.62 ID:ZhD9akc7o
「私ね、生まれつきカラダが弱くて」

「というか、錦野家は代々、生まれながらにして不治の病を患っているっていうのがあってね」

「みんな、50歳も行かずに死んじゃうのよ」

「そんな病気を患っていることもあってか、恵まれない子供を救うことに尽力していてね」

「曽祖父…、私のひいおじいちゃんのころから、そういう専門の組織を作ったって聞いたわ」

「で、例にももれず、私のお父さんも、その組織の総帥…、いわゆるトップだったんだけど」

「つい先日、亡くなっちゃって」

「…まだ、45歳だったのに」

「だから世襲制で、今は私がその組織のトップ」

「こっちはまだまだ若いオンナノコだってのによ?全く、意味わかんないわよね」

「…っと、いけない。また口調が…」

「まぁ…、そんなこんなで、病弱娘な私が、社長さんになったんだけど」

「私、一族の中でも特に身体が弱くてね」

「本当なら後継ぎのために、もう子供の一人くらい産んでないといけないんだけど」

「そういうこと、できないくらい、貧弱なのよね」

「お父さんも、もうひとりくらい後継ぎを作ればいいのに」

「…まぁ、仕方ないわよね。こんな弱い体になるなんて、思ってなかったみたいだし」

「だからね。このままじゃ、錦野の血が絶えてしまう。そう焦った組織の人たちは、どうしたと思う?」

「体外受精させよう。…そんな風には考えなかった」

「お父さんもそれまでの錦野の一族より身体が弱かったから、きっとそれ以上交配を続けても、次第に生まれる子供は貧弱になってゆく」

「だったらもう、せめて今のまま止めないと」

「そうして考え出されたのが、クローン技術」

「この私の身体を最後の錦野の血として、それをずっと保ってゆく」

「何回も何回も繰り返して、血を絶えないようにする」

「そして皮肉にもこの研究が、大々的に人口減少の対策として施工されるようになっちゃうなんてね」

「ヒトクローンの楽園…、音都」

「これがいいことか悪いことかは、わからないけどね」

「あ、それで…、さっきのマキが、私の後継ぎ。私のクローン」

「愛想のない子だけど、とても頭が良くて…、私も知らないようなこと、覚えたりしてるの」

「きっとあの子なら、組織をいい方向に導いてくれるわ」

「そうしていつか、あなたみたいに…」

「…辛い思いをしている子供たちが、世界からいなくなってしまえって、そう願っているの」


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