過去ログ - 希「死なんといてね、ことりちゃん」ことり「知らないの?…私は死なない」
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310: ◆Qe7X7xrNvI[saga]
2014/10/02(木) 02:27:48.78 ID:ZhD9akc7o
翌年。


私は宣言通り、彼女の補佐をすることとなった。

もちろん、字も読めなかった私は必死に勉強して。

まだ3歳であるマキにも勉強を教わりながら。

ひたすら彼女の役に立つために頑張った。

でも、子供の頑張りには限度ってものがある。

彼女のために努力するのは全く苦ではなかったけれど。

だからといって、全てが思い通りになるほど、世の中甘くできてはなかった。


ツバサ「え、っと…?これが、こうで…?」

マキ「違う。何度説明させれば気が済むの?ここは…」


でもわかんないものはわかんなかった。

無念なことに、私は天才じゃなかったのだ。

当然、彼女…、真姫の手伝いができるほどになるには、全然だった。




ある日、真姫はひとりの女の子を連れてきた。

ロングヘアの、可愛いというより、美人な少女。

キリッとした目つきで、スラっとしてモデルさんのような出で立ち。

ただ一つおかしな点は。

身体中に痛々しい傷が点在していること、だった。



少女「…」


真姫「ツバサ。彼女の名前は藤堂英玲奈ちゃん。私が引き取った子です」

ツバサ「え、つまり…、孤児?」

真姫「いえ、すこし違います。彼女は…、親から虐待を受けていたの」

ツバサ「虐待…」

真姫「つい先日に、通報があって彼女の両親は逮捕されました」

真姫「しかし他に身寄りがなかったため、私が引き取ったのです」

ツバサ「だったらどうして、孤児院ではなくこの家に?」

真姫「…彼女は、極度の対人恐怖症です」

ツバサ「たいじんきょうふしょう…?真姫、孤児院の子はみんな日本人だと思うんだけど?」

真姫「タイ人ではなく、対人。人と接するのが怖い、と感じるの」

真姫「だから、孤児院で大勢の子と接すると、パニックを起こすかもしれない」

真姫「というわけで、ツバサ。あなたに初めてのお仕事です」

ツバサ「え」



真姫「今日からここで、彼女と仲良くしてあげてください」


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