過去ログ - 希「死なんといてね、ことりちゃん」ことり「知らないの?…私は死なない」
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340: ◆Qe7X7xrNvI[saga]
2014/10/04(土) 18:06:45.95 ID:PIqQBp0eo
裏切る。

その言葉の意味が一瞬わからなかった。



ツバサ「…どういう、こと」


マキ「そのままの意味。真姫はこの会社を捨てて、逃亡する気よ」


理解しても、やっぱりわからない。

彼女がこの会社を裏切って、どう得するというのか。


マキ「彼女の病気…、不治の病なんでしょう」

ツバサ「え、えぇ…。そうよ、そのはず」

マキ「そのせいであと数年で彼女は死ぬ、そうね」

あんじゅ「それが…、どうして会社を裏切るにつながるの?」

マキ「…見つかったのよ、その病気を治す術が」

ツバサ「…っ!!?嘘…!」

マキ「嘘じゃないわ。この論文を見て」


そうして見せられた論文は英語で書かれていた。

あんじゅはさっぱりだったろうが、私は英語も習っていたので読めた。

確かに、彼女や錦野家が患っている病気の治療法のことが、書かれているように見える。


マキ「これが発表されたのがつい先日。…といっても大した話題にはならなかったわ」

マキ「こんな難病にかかってるのはほんのひと握りの人間だけだからね」

マキ「だけど、当人である真姫はこれに食いついた。自分を苦しめている病気を治す治療法が見つかったのだから」

マキ「けれどこの治療法…、莫大な金が必要なのよね。おそらく…、この会社の6割以上は食い尽くす羽目になる額の金が」

マキ「彼女なら確かに支払える。だけどそれは彼女ひとりの財産ではないわ」

マキ「財閥の金であり、彼女一人のために費やされていい財産ではない」

マキ「既に跡取りの私を用意した上で、自分だけ延命するために財産を食いつぶせば、財閥関係者からもバッシングが下る」

マキ「当然錦野財閥の名も地に落ちて、治療を受けようとしても顔も知らぬ他人に邪魔だってされちゃうかも」

マキ「それを恐れた真姫は、内密に治療を受けることを考えた」

マキ「こっそりと財閥が保管する金庫を開き、莫大な財産を独り占めして海外へ高飛びすることで」

マキ「誰にも邪魔されず、一人治療を受ける環境を整えようとね」


…。

まさか…、そんな。

当然だけど、彼女の言うことを信じることはできなかった。

真姫が、私たちを裏切るだなんて。


ツバサ「…そんなに自信満々に語るんですもの。真姫が裏切る証拠、あるんでしょうね…!」

あんじゅ「そうだよ!証拠…!証拠がないと認められないよ!」

あんじゅ「そんなの…、ただのマキちゃんの勝手な推測でしか…」


マキ「証拠なら、あるわ」


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