過去ログ - 【Fate】壊れた観測機械と聖杯戦争【安価とコンマで】 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】壊れた観測機械と聖杯戦争【安価とコンマで】

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904: ◆PLTbiiswfL.Y[saga]
2014/09/21(日) 12:34:47.85 ID:G4gKH1VMo

　　　　　　　　　　　　　　　　そして私が知った情報を口にすれば、少女の態度は一変する。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　確かにあった清く聖なる気配は、空(くう)に消え。

　　　その身から引き出されていく魅惑と淫靡さが混ざった甘く膨大な王気は、夢魔の様に礼拝堂の空気を容赦なく犯す。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|..教会に属していれば嫌でもお前の噂は聞く　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂_

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　曰く、我（が）が希薄になりつつある。
　　　　　　　　　　だが、誰よりも願いを保ち続ける、我と鋼の意志の境界の狭間に生きる小さき王。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　曰く、己という意識が薄れながらも。
　　　　　　　　　　　　自らが懐いた人類の救済という希望だけは、決して忘れることもなく歪むこともない。
　　　　　　　　　　　　　　　　それはさながら鋼の様であるが、人としては悍ましい聖女。

　　　　　　　　　曰く、運命に翻弄され続ける流体の様な存在でありながら、芯は折れずに居られる存在。

　　　　　　　　　　　　　　　　　曰く、そんな普通であれば壊れてしまいそうな生き方でも。
　　　　　　　　不幸にも噛み合ってしまった、属性魔術と境遇とで強引にでも成り立ってしまう哀れな聖者。

　　　　人に救いの手を差し伸べる聖処女の血をその身に宿され、誰よりも傲慢な王としての素質を天から授かった少女。

　　　　　　　　　　　　　　　こと有るごとに我(が)を聖処女の血と王質に蝕まれながらも。
　　　　　　　　　　　　　それでも鋼の様に自己の芯という名の在り方、願いを保ち続ける。

　　　　　　　　　　何が有ろうとも、自分がこの世界に在る意味だけを胸に抱くことで生きて居られる幼子。
　　　　家族を数度も惨殺され、協会と教会に追われようとも、男に何度も犯されながらも、自らが懐いた願いに縋って、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうして今の今まで生き延びてきた、封印指定。

　　　　　　　　　　　　　　この少女は何が有ろうとも、自身の想念は何処までも不滅で在り続ける。

　　　　　　　　　　　　　　　どれも眉唾物だと思っていたが、なるほど受け入れざるを得まい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　何故ならば全てこの少女は、成り立たせているのだから。

　　　　　　　　　　　　　　　―――その悲痛極まりない在り方もまた、私という存在を惹きつける。

　　　　　　　　　　　　共感か、憧れか、羨望か。何かは分からぬが、それでも私はこの少女を知りたくなった。

　　　　　新たな生き方に繋がる何かになれば良いのだと、珍しくもまともな人間らしい期待感を抱きながらも…。

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