306: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/11/17(月) 08:04:21.00 ID:LBLt4448o
身体を左右に揺らし、普通のローラースケートと同様に
ゆっくりと加速しながら茜の身体は水面へと躍り出る。
「どうだー!」
得意満面とも言える満開の笑顔に対し、
しかし志希は自身の優位を疑わなかった。
徐々にこちらに近づいてくる茜の距離を確認し、
彼女がやがて自分から約50メートルの位置。
つまりは池の中央部に到達した時になって、やっと志希は動く。
「これでもくらえー! 試作7F号!」
もはや普段着の白衣から取り出したのは二つの試験管。
その栓を外し叫びながらそれを力強く投げる。
「?」
「え、なに?」
空中で二つの液体が混ざりながら
やがて重力に従い池にポチャンと軽い音を立てて落ちる。
何が起こるのか、何がしたいのか。
傍から見ていた貴音にも動きを止めてしまった茜にもわからなかった。
五秒。経つまでは。
「うわわわぁぁ!?」
中身を失いぷかぷかと浮かんでいた試験管付近の水が、
ゆっくりと持ち上がり、一つの形を形成する。
スライム。RPGなどで登場する定番のモンスターが茜の目の前に姿を見せた。
次いで、後方にも一体。左右にも一体ずつ。
都合四体の巨大なスライムが茜を取り囲む。
「……こ、これは茜ちゃん大ピンーチ!」
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