過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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◆aMcAOX32KD1b
[saga]
2014/11/28(金) 03:01:50.95 ID:ID1WqSrK0
「ほう、やるな。だが撃ち漏らしがあるぞ」
オティヌスが感心しながらも忠告する。
彼女の言う通り、しんのすけの頭上約100mには、今まさにその鏃の先を彼に向けんとする矢が在った。
「心配御無用!!」
「なっ!?」
しんのすけが腕をグイっと引くと、それに合わせてオティヌスはそちらへ引き寄せられた。
そこでオティヌスは気づく。
彼女の身体をわずかながら覆う衣服には、何時の間にかヨーヨーが、正確にはそこから飛び出た鉤爪が引っかかっていたのだ。
(さっきの腕の振りは光線のタメじゃ無い!!コレを私に投げる為だったのか!?)
ヨーヨーはうなりを上げ回転し、自ら鋼線を巻き取る。
それによって彼女の意に反し、その身体はしんのすけへと高速で近づいていった。
そしてそのまま引っ張られ自身の放った矢と彼女が衝突する刹那、マントから鉤が外れてヨーヨーはしんのすけの手の中におさまった。
「すごい武器ですね……しかしいつの間に?」
ミライマンがしんのすけに訊ねる。
いつ彼女のマントにヨーヨーをつけたのか、では無い。
あのヨーヨーはいつ用意したのか、を問う言葉だった。
時空調整員の万能対応システムは『魔法少女のステッキ』と言った武器ならば衣装とは別に創ることも出来るが、件のヨーヨーは万能対応システムに因る物では無かった。
にもかかわらず、彼の掌に突然ソレは現れたのだ。
ミライマンが疑問に思うのも当然と言えた。
「この世界って、思った通りの物が何でも出てくるんだよ」
そしてその疑問にしんのすけが答えた。
いわく、現実と想像がイコールで結ばれる場所なのだそうだ。
もっとも『この世界』で産み出した物を元の世界に持ち帰る事も出来ないし、
逆に言えば『自分』のイメージを持てなければ、自己を失ってしまう危険も在ると言う。
「初めて『ココ』に来た時は、オラも一時的にソウなりかけたしね」
本来ならば三次元の住人が『この世界』に立ち入るのは、荒れ狂う大海に角砂糖一つ落とす様なものだ。
記憶喪失に近い状態、それも一時的なものですんだのは流石と言えよう。
「だから昔持っていた物とかだと、イメージし易いからすぐ出せるゾ?」
どうやらあの鉤のついたヨーヨーも、過去に入手した物らしい。
使い勝手も良いし何かと便利そうだから家に帰ったら物置部屋から引っ張り出して、これからは普段から持ち歩くようにしようかな。
と、彼は小さく口の中でつぶやいた、その時だ。
「……ほう。それは良い事を聞いた」
オティヌスは起ちあがっていた。
矢に射抜かれた筈の彼女は、それでもなお未だ倒されてはいなかった。
そしてその手に大きな『槍』を持って、こちらを真っ直ぐに見据えていた。
「……もしかしてその『槍』は、所謂お嬢ちゃんの『最強装備』ってヤツ?」
その『槍』の異様な雰囲気に、しんのすけが冷汗を流しながら彼女に訊ねる。
「ああ、『主神の槍』【グングニル】と言う。間違いなくコレが今の私に使える『最強』だ」
そう言うとオティヌスは後方に跳び、しんのすけとの距離をあけた。
「貴様の思い描く『最強』をもって、打ち破って見せろ!!」
彼女は槍を投擲すべく、かまえる。
「解ったゾ。眼帯のお嬢ちゃん……」
アイテム
しんのすけの手に新たな道具が現れる。
「ほう?銃や剣でもだすかと思ったが……」
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