過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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◆aMcAOX32KD1b
[saga]
2014/11/28(金) 03:04:05.90 ID:ID1WqSrK0
自身の思い描く最強。
そう言われて彼の頭にうかぶイメージは、武器などでは無かった。
それは……正義と勇気、努力とど根性で、宇宙より来た魔王すら退けた。仮面の英雄
それは……祖国を、同胞を、家族を、兄弟を、敵にしてなお戦い続けた。無敵の勇士
それは……自身の存在の危険性故に、誰も自分を利用できぬよう消えた。救いのヒーロー
それは……幼き頃より仕える姫が為、戦場においては鬼とすら呼ばれた。戦国の武士
それは……短いあいだだけであれど、彼にとっては確かに家族であった。鋼鉄の父親
そして……
天災により、数知れない程の人達が、計り知れない大切な物を失った世界で、
かつての景色を取り戻そうとあがき、そして成し遂げた。未来の自分
「曇り空を晴らすには、コレが一番合ってるからね」
今、彼の手に有るのは、緑色のバイザーの様な物だった。
「曇り空を晴らすだと?」
彼が口にした言葉を、オティヌスが聞き返した。
しんのすけはバイザーを装着し、応える。
「お嬢ちゃん、ボウガンからその槍に武器を変えた時から、顔が『くもってる』ゾ?」
「なに?」
「だから、なんか辛そうで苦しそうで……哀しそうな顔。本当は使いたくないんじゃない?その槍。何か嫌な思い出があるとかさ」
「……」
「このケンカが終わった後はさ、やっぱり笑顔が良いよね」
そうして笑顔を見せるしんのすけとは反対に、オティヌスは静かに怒りを燃え上がらせていた。
曇り空
「やってみろ、人間。魔神の心を晴らしてみせろ!!」
彼女は叫んだ。
出来る筈も無い、『原石』とは言えただの人の身で『魔神』の苦しみや悲しみを癒せるものか。
「もちろん!!言われなくても!!」
彼も大きな声で返す。
その身体からは青白く光るオーラが立ち上がり、周囲の『何も無い空間』が明るく照らされる。
「はっ!!ソレが貴様の『最強』か!?その程度ならば消えてしまえ!!」
グングニル
オティヌスが『主神の槍』を投げた。
「おおおおっ!!!!おバカパワー充填120%ォ―――!!」
投擲された槍が真っ直ぐに彼へと迫る最中、蒼いエネルギーはバイザーへと集中していく。
そして、槍がしんのすけの額を貫こうした瞬間に、ソレは放たれた。
トルネードコール
「『法則無視』ファイヤー!!」
掛け声と共に撃ち出された光線は、槍を飲み込んでなおその勢いは止まる事無くオティヌスへと向かっていく。
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