過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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202:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2014/12/25(木) 21:02:03.47 ID:p1zcWFlH0

まだまだ寒さを残しながらも、数日後には新学期が始まろうと言う春先の某日。
学園都市統括理事の一人『亡本裏蔵』はその日も自宅兼オフィスである列車の一室で食事をとろうとしていた。

「ん?」

扉が開く音がしたのでなんとなしにそちらに目をやり、彼は驚いた。

「なっ!?」

開いた扉からは見えるはずの向こう側が見えなかった。
そこからはどこまでも、まるで無限に続く深淵の闇の様な、『黒い空間』が広がっていた。

そして更に驚くことが起きた。
その『黒い空間』から人の手が飛び出してきたのだ。
そして直ぐに一人の人間、その全身が現れた。
出てきたのは、片手にビニール袋を持った、まだその顔に幼さを残す少年だった。
恐らく高校生、それも新入生なのだろう。彼はこの街で一番の名門校の、それも真新しい制服を着ていた。

「あれ?ここどこ?」

その少年は、きょろきょろと辺りを見回す。
どうやらこの場に来た事は彼にとっても本意では無いらしい。

(転位系能力者で制御に失敗したのか?)

だがあのような異空間をかいした転位能力など聞いた事も見た事も無い。
ならばこの少年は一体何者なのだろうか。

「そこのオジさん、つかぬ事を訊きますがここは一体何処なのでしょうか」

判断しかねていると、少年の方からこちらにコンタクトをとってきた。

「あ、ああ。ここは私の自宅兼仕事場で、この部屋はその食堂だよ」

不意を突かれつい正直に答えてしまったが、まずかったかもしれない。
なにせ、彼の立場や目的が判らないのだ。
部屋の外には護衛達が控えてはいるが、室内の異変に気づく事は恐らく無いだろう。
                ここ
「ガタンゴトンって音がしてるよ?電車に住んでるの?お家賃いくら?」

「いや貸家じゃないから家賃も無いが」

「ほうほう」


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