過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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204:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2014/12/25(木) 21:03:45.34 ID:p1zcWFlH0
亡本裏蔵は学園都市のトップ、統括理事会のメンバーの一人であり暗殺や襲撃を防ぐ為に地下を走り続ける武装列車に住んでいる。

「う〜ん、なんで間違った所に出ちゃったんだろう?」

少年は首を傾げている。その姿には敵意や害意は感じられない。
やはり偶然迷い込んだだけなのだろうか。

「せっかく差し入れ持って来たのになあ」

少年がビニール袋をのぞきこみながら残念そうに呟いた。
その時、袋の中から漏れ出た匂いが亡本の鼻をくすぐった。

(こっ、これは!?食欲に直接語り掛ける様な芳醇な香り!!)

「じゃ、そーゆーことで。お邪魔しましたー」

こちらに手を振り、後ろの『黒い空間』に戻ろうとする少年に、亡本は声をかけずにはいられなかった。

「待て!!その袋には、何が入っている!?」

「お?焼きそばだけど……」

少年は袋からタッパーに入った焼きそばを取り出した。
そのとたん、より一層強くあたりにその香ばしいソースの匂いが広がる。

「……」

ゴクリ。と、亡本の喉が鳴った。

「えーと……食べます?」

「是非!!!!」

その焼きそばは、一見すると普段の自分ならば絶対に口にしない様な、縁日等で売られているどこにでもありそうな代物だった。
良く言って普通の、悪く言えば陳腐な焼きそば。
しかし亡本はその焼きそばから眼を放す事が出来なかった。

(私の本能が叫んでいる!!早くこの焼きそばを食したいと!!)

割り箸と共にタッパーを差し出す少年から、奪い取るように受け取ると、亡本は一心不乱にその焼きそばを口に入れた。

「う……うまい……」

そしてソレだけではない。体の奥底から元気が、心の奥底から楽しさがこみ上げてくる。

「ほうほう、お気に召したようで何よりですな。じゃ、オラはこれで」

焼きそばを食べ終わり、気がついた時には既に少年の姿はそこに無かった。

もう一度あの焼きそばを食べたい。その欲求に抗えず部下に件の少年の身元を調べさせた。
彼の着ていた制服から通う予定の学校は判っていた、あとは『一人称がオラの新一年生』で調べさせれば直ぐにその正体は判明した。
          トルネードコール
「第八位の超能力者『法則無視』、野原しんのすけ。か」



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