過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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290:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2015/06/09(火) 04:49:15.65 ID:wJItYbkZ0
「問題ないよ。もっと良いカードを引いたからね」

今、彼の手札はSK SQ D9 H3 J スペードのKとQダイヤの9ハートの3そしてJOKERだ。
  ジャック    ストレート           ワンペア
3がJだったなら中級の役ができたが、これでは下の役。
ブタ             スリーカード
役無しよりはマシと言えど、最初の下の上の役よりも二つ下の役だ。

だが、彼の能力を併せれば結果は変わる。
『絶対の幸運』『絶対的な幸運に護られている』彼が好んで使うフレーズであり、それを聞いた者は『運』に作用する能力かと推測するが勿論事実は異なる。
彼の本当の能力とは『精神感応』系統のもので、一言で説明すれば『自分の言葉を他者に信じさせる』と言うものだ。
例えばクラブの2のカードを、彼が『これはJOKERだ』と言えば、その言葉が聞こえた者には実際にそのカードがJOKERに見える。
故にポーカーでは手札を開示する時に何のカードか宣言すれば、どんな高位の役でも思いのままだ。
相手もギャラリーも、その言葉を信じるのだから。
とは言え、絶対にこちらの手札にあるはずの無いカード……例えば相手側の手札の中にあるカード等を使って役を作るわけにはいかない。
その為しんのすけの提示したルールは、故意か偶然かはともかくとして、彼の能力による優位性を著しく落とすものではあった。
何せ万が一の事態を避ける為には、最初に引いたカードと一回のみのチェンジで得たカードの最大10枚の中から役を作らなければならない。
   イカサマ
全くの能力使用無しと比べればそれでもまだ有利ではあるが、能力の使い方が大分限られたのは事実だ。
しかしそれでも今回は自分の勝ちだと、彼は既に確信していた。

彼が役を作る為に選べる10枚のカードは
S10 DA HQ C10 SK SQ D9 H3 J×2
その中から彼が選ぶカードは
S10      SK SQ    J×2
『JOKER2枚を含めたスペードのロイヤルストレートフラッシュ』

つまり負けようが無い最高役である。
先程ギャラリーの一人が「ワイルドカード有りのルールではロイヤルストレートフラッシュが最高役にならない」と言ったが、
そのロイヤルストレートフラッシュよりも上の役である『ファイブカード』は、ワイルドカード無しには作れない役だ。

(つまり僕は絶対に負けないってことだ)

つい笑顔にもなろうというものだ。
心配があるとすれば、能力が効かない相手にイカサマが見破られることだが、今まで一度としてそんな事は無かったし、
能力開発を担当した研究者が言うには、
「声を媒介にした思念波は赤外線を媒介にしたそれとは異なり、超能力者の一人であり精神感応系最高位である『心理掌握』が効かない『超電磁砲』に対してすらも理論上は有効」
とのことだ。
レベル5
超能力者すら騙す自分の能力が破られるはずは無い。

そんな静かに笑みを浮かべる彼に対し、しんのすけもまた笑っていた。
その様子に、上条は不安げにつぶやく。

「ああ、なんかあの子供すごい余裕っぽいんだけど、しんのすけは大丈夫なのか?」

「さあな、だが……」

隣にいた、バンダナの男が言う。
 ステンド レイズ
「降りも上乗せも無い全掛け一回勝負じゃ、ハッタリは意味がない」

「えっと……つまり?」

バンダナの男の言葉の真意を解りかね、上条は聞き返す。
するとそれに、かんざしの女が応えた。

「某海洋学者が学生時代に使ったテクニックは今回は使えないと言う事かと」

「いや、そうじゃ無くてな……」

しかしかんざしの女もバンダナの男の言いたい事を理解していたわけでは無い様で、バンダナの男が否定する。

「あんたの連れは、笑ってるだろ?」

「あっ!そうか!!」

この勝負にハッタリは無意味、しかししんのすけは笑っているのだ。

「少なくとも、それなりに良いカードは来たんじゃないか?」

3人がしんのすけを見る。
ちょうどテーブルではディーラーがしんのすけにカードチェンジを問いかけていた。


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