過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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◆aMcAOX32KD1b
[saga]
2015/06/09(火) 05:05:36.65 ID:wJItYbkZ0
「で、『此処』でその職歴を消せる奴と待ち合わせだと」
ティータイム
翌日の午前10時頃、上条は緊張していた。
しんのすけに呼び出され、交渉相手との待ち合わせ場所だと連れて来られたのは、なんと『学舎の園』の内にある飲食店のカフェテラスだった。
「本当にココで?と言うか、良く入れたな俺達」
「ここは知っての通り、男性の入場制限に厳しいですからな〜。でも絶対じゃないゾ?」
「そうなのか?」
「うん。まあ女子でも内部の5校以外の制服着てると注目されるくらいだから、オラ達は特に悪目立ちしないように気を付けなきゃ……お、来た来た」
しんのすけが会話を打ち切る。
どうやら、目当ての人物が来たようだ。
それが顔見知りであった事に少し驚きながらも、同時にしんのすけの人選に納得する。
「よ!!」
しんのすけに挨拶され、件の人物もこちらに挨拶を返す。
テレパシスト メンタルアウト
「こんにちはぁ上条さん野原さん、精神感応系最高位『心理掌握』の食蜂操祈ちゃんです☆」
彼女が席に着くと到着早々、しんのすけが本題を切り出す。
「いきなりでごめんね。じゃ、操祈ちゃんこの写真を見てくれる?」
そこには髪を緑に染めた男子小学生の寝顔が写っていた。
「この子がどおかしたのぉ?また厄介力の大きな事件?」
食蜂は写真を見た後、しんのすけにその真意を問う。
「事件そのものはもう終わっているんだけどね……頼みたいのはこの子の『職歴』についてなんだけど、良い?」
後半、声をひそめて確認する。
「正直めんどくさいわぁ。報酬力次第ね」
「報酬か〜……」
彼女の要求に、しんのすけは腕を組んで少し考える。
「じゃ、とりあえず前払い分って事で、ここでなんか奢るゾ。成功報酬についてはケーキでも食べながらって事にしない?」
「わかったわ」
しんのすけの提案を、食蜂が了承する。
一方で上条はしんのすけの先程の『奢る』と言う台詞に、
昨夜彼とした『手伝う』という約束を思い出し不安が頭をよぎっていた。
「なあしんのすけ、その『奢り』って……」
「あ、上条君の分は自腹で頼むゾ」
「いや、そうじゃ無くてだな」
「ああそういうこと。やだなぁ別に操祈ちゃんに奢る分を上条君と割り勘にしようなんて考えて無いってば」
その言葉に上条は安心した。
そして疑問に思う。
「ん?でもだとしたら……」
しんのすけは何故自分を連れて来たのだろう?
確かに『後日談の聞き役になるだけなんてごめんだ』と言ったのは自分だが、彼女との交渉で自分が役に立てるとは思わない。
自分を呼び出したのは、しんのすけにとっては単なる無駄手間だったのではないだろうか。
そんな事をしんのすけに訊ねたら、予想外の返事が返ってきた。
「やだなぁ上条君。もしオラと操祈ちゃんが二人きりでお茶してるとこを、あいちゃんに見られたり後日その事があいちゃんの耳に入ったら?」
「え?」
どうなるんだろう。その解答は食蜂が出した。
「多分だけど、最悪学園都市の超能力者は『最初から七人だけだった』事になるんじゃないかしらぁ?」
「まあ、あいちゃんもソレだけでそこまで怒ることは無いと思うけどね。でも噂には尾ひれが付くし、あいちゃんも結構思い込みが激しいから」
「うふふ、私の推理力も中々でしょう?」
「可能性としては、そう言う結末も充分ありえますな」
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