過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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327:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2015/06/25(木) 04:24:07.20 ID:Zb9lu9mu0
「んで、この婿選び、何処の誰が選ばれるとお前は読んでるんだ?」

クラックハルト女史が挨拶周りに再び自身から離れると、カッツェは何事も無かったかのように話を振ってきた。

「そうだな、とある魔術大国の王子が、令嬢と同い年らしい」

「おいおい酢乙女財閥は令嬢が他家に嫁ぐことも考えてるってのか?」

カッツェの質問に、コツバーンは答えなかった。
なぜなら今まさに丁度、その王子が令嬢のもとへ挨拶に来たのだから。
なんの偶然か、会場は静まり返り、二人の声は離れた位置に居た大統領二人の耳にも良く聞こえた。

「こんにちは、あいちゃん」

「コレは一体、なんのサプライズかしら」

馴れ馴れしいのは不慣れな日本語ゆえか、王子は微笑みかけながら令嬢に話かけた。
一方の令嬢はやや顔を赤く染め、しかし怒りは見えずむしろあふれ出る喜びを公の場ゆえ精一杯隠しているようだった。
その顔はまともに恋愛経験を積んだ者ならば十人中九人は『恋する乙女の表情』と言うだろう。

「お前の読みってすげえな……今度プライベートで俺とベガス行かない?」

カッツェの言葉はコツバーンに届いていたかは定かでは無い。
この時コツバーンの心は、激しい怒りに震えていた。

(魅了の魔術か!?令嬢を洗脳してまで酢乙女財閥を手にするなど、一体何を考えている……ブリブリ王国!!)

カッツェは友人の読みが当たった事に、コツバーンは令嬢の態度が予想外だった事に、それぞれ驚いていて気がつかなかった。
令嬢のみを護るべく彼女のそばに控えたボディーガードの一人が、困った様に令嬢と王子の顔を交互に見ていた事。
そのボディーガードの顔立ちが大きなサングラス越しでも判る程、王子とそっくりだった事に……


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