過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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422:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2015/11/28(土) 22:14:30.87 ID:fkjxM9Dw0
「固めに焼かれたクッキー生地が無ければ、この女性も逃げれたのかもしれませんわね」

それでも女には十分なダメージになったらしく、その場で気絶した彼女を見下ろし、どこか気の毒に思いながら、あいが言った。
当時しんのすけやはあいは知らなかったが、本来魔術師と言う者は基本的に身体能力が低くなりがちである。
魔術の行使には魔力が必要であり、その魔力の元は本人の生命力であるためだ。
勿論例外もいるが、魔術を使う者は体力や筋力が同程度の体格の魔術を使わない者と比べて劣り易い。
それだけが理由では無いが、硬めのパンが顔にぶつかっただけで、ドレスの女が気を失ったのにはそんな背景があった。

「ふう、助かりました」

タチバナが倒れた女を背負い上げ、しんのすけに例を言う。
あいは初めて見る顔にやや警戒したが、しんのすけの態度から二人は見方だろうとはんだんした。

「どーいたまして。で、その女の人が?」

傭兵なのかと、しんのすけが訊いた。

「うん、たぶんね」

「たぶん、ですか?」

インテリの返事に、ルルが眉を顰める。

「扉が開くようになって最初に出てきたんだよ、こそこそとね」

「中の様子は凡そ把握していましたが、彼女は『我先に逃げだした方』ではありませんでした」

「だったら、扉が開くようになった事を誰にも知らせず、一人だけで出てくるのは不自然だ。だから声をかけたんだけど……」

「逃げ出したってわけか」

スンノケシがインテリの言葉を受け継ぐ。

「ともかく、二人共早く控室に運ぼう」

「ですね。そこでこの女性がリストにあるか確認させましょう」

あいが携帯端末をいじる。使用人や黒服達に指示しているのだろう。

「彼女も傭兵なら、これで三人。他に何人紛れているのか」

「零……だと良いね」

眉間のしわをのばしながらのルルのつぶやきに、しんのすけが返した。



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