過去ログ - 酢乙女あい(15)「『乱雑解放』【ポルターガイスト】を調査しますわ」
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54:>>1 ◆aMcAOX32KD1b[saga]
2014/10/25(土) 21:10:17.64 ID:3o6Ncmuw0
「ようやく、気づいたみたいだね。そこまでバレたなら、もう隠さなくても、いいかな」

テレスの声色から察したのだろうボーが、銃口を向ける様に駆動鎧を指さして言った。
                        はな  レールガン
「ナメてんじゃねぇぞ!?いくら強い能力でもこっちは最初から超能力者を相手にするつもりだったんだ!!」

途中で切り落とされたワイヤーを肩からパージし、もう一対の予備アームを構える。
腕を発射しようとするが、既にカメラアイの寸前まで、水の鞭が伸びていた。

「細かい操作と、その速さ、二つが合わさればこんな事も出来る」

彼の指先から伸びた鞭が、その先が、機体に触れた瞬間、爆発した。

「がぁっ!?何をしやがった!?」

激しい衝撃により、大型駆動鎧が数メートル程後方へ移動し、テレスが毒づく。

「水を、高速で細かく振動させると、温度が上がる。だよ」

分子レベルでの操作をしたと言うのに、ボーは事も無く答えた。

「さてオバサンに問題、沸点を超えて、それ以上に熱くなっている時に、刺激を与えると?」

テレスはそのボーの言葉で爆発の正体を知る。

「突沸、いや水蒸気爆発だと!?」

「正解」

再び鞭が伸び、テレスは回避しようと駆動鎧を操作するが、意に反して大型駆動鎧は動いていない事に気づいた。
カメラを切り替えて見れば、大型駆動鎧の下半分が氷に包まれていた。

「なっ!?」

「何を驚いているのさ、『突沸』が出来るなら、その逆……『過冷却』も出来る。って考えなかったの?」

もっとも気体である水蒸気や、固体である氷になった時点で僕のコントロールからは外れるけどね。と、彼は続けた。

「……これだけの水、いつの間に用意しやがった?」

白衣の下に、分厚い鎧を着る様に水を隠しても、一トン程度が隠せる限界のはずだ。
だが今、大型駆動鎧の周りの氷は、ソレをはるかに超えていた。

「……」

ボーは無言で一番最初に砲弾としてぶつけた氷塊を指さした。
テレスの視界、ディスプレイに映るソレは、最初と比べ幾分か小さくなっている気がした。

「成程なぁ。必要な分をその都度溶かしていたって訳か」

「疑問も解けた?じゃあ、バイバイ」

凍り付き回避も防御も不可能になった大型駆動鎧の、
カメラアイの視界が白い爆発に覆われた。


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