過去ログ - 【安価・コンマ】八百万の英霊よ、集え39（12代目2スレ目）【募集鯖鱒聖杯戦争】 -SS速報VIP

過去ログ - 【安価・コンマ】八百万の英霊よ、集え39（12代目2スレ目）【募集鯖鱒聖杯戦争】

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286: ◆F0cTHB3QK/uG[saga]
2014/09/07(日) 22:28:08.04 ID:9NK6RSzP0

　静かな野球場。

　貴女がやってくると、真っ暗闇だったその場に灯りが付き、中央に立つ背の高い姿が現れ出る。

　その佇まい、凛として鋭く。

　触れる者全てを切り刻まんとするような、危うい美しさを誇る。

　そして。

　「また、来てくれたんやね」

　貴女の姿を見つけて、少女の姿のその男は、妖艶な笑みを浮かべた。

　両手を広げ、貴女を迎え入れる体勢をとる男。

　それはまるで、荒野に咲く一輪の花のように美しかった。

　貴女は、そっとその胸に身を委ねる。

　そして、朝顔が花弁を閉じるように、その男の柔らかで堅い腕が貴女を抱擁する。

　「情報や……次は、ランサーのな。あんまり沢山はとれんかった」

　「いえ……ありがとう」

　それは、端から見れば、常道を外れた恋人達の逢瀬のようにすら見えるだろう。

　だが、間に見え隠れする狂気と打算が、彼女たちからロマンチズムをかき消していく。

　もしかすると、かき消せては居なかったかも知れない……完全には。

　ともあれ、一日に３度が約束された、その会合は朝の部を終え、貴女はその場を離れていく。

　魂を持った人形が一匹、その一様を眺めていた。

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