6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/05(金) 21:44:36.20 ID:oVE2GZJBo
「加蓮いる? お母さんだけど」
「う、うん……」
聞きなれた声ですが、予期せぬタイミングに、しどろもどろに答えてしまいました。
手元に引き寄せようと掴んでいた手が引かれ、本がパタンと音を立てます。
加蓮は、何も考えられずに周りをきょろきょろと見回しました。
お母さんは、部屋の様子を確認するようにゆっくりと入ってきました。
間違いなく、本も目に入ったことでしょう。
「予定よりも早く仕事が片付いたから、来ちゃった」
こう言いながら、お母さんはまとめてある着替えを回収していきます。
「ちゃんとご飯は食べてる?」と、お母さんは言いました。
「うん。食べてるよ」と、加蓮は言いながら空になっている冷蔵庫を見せました。
「牛乳もちゃんと飲んでるのね。前は毎回私が持って帰って、家が毎晩シチューになったけど」
「またその話……? もう、ごめんってば」
二人は、時おり笑顔も交えながら、病院内での毎日について話しました。
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