903: ◆HyZk02P5Ec
2015/12/29(火) 23:45:19.07 ID:Qjae5fiR0
千種「二人で顔を合わせて、何を言えるでもなくただ立ちすくんでいた時、私達を見つけてくれたのがプロデューサーだった」
冬馬「Pさんが?」
千種「えぇ」
千父「彼は私達の様子を見て、何を聞くでもなく私達を舞台袖まで連れて行ってくれた。そこで千早の姿を見て、歌を聴いて、不覚にも泣いてしまってね」
千父「あぁ、この娘は昔のように歌えるようになったんだな。私達の力など必要なく、立ち上がれるようになったんだな。そう思ってしまったんだよ」
千種「良いお友達に囲まれて、プロデューサーや社長さんのような良い大人に見守られて、千早は過去を振り払えたんだって……でも、千早が立ち上がれるようになった理由はそれだけじゃないと、直ぐにわかったわ。ね?あなた」
千父「そうだね。良い笑顔だった」
冬馬「笑顔?」
千父「内容は遠くて聞き取れなかったけれど、歌った直ぐ後、あの子に話しかけていた青年がいた。彼が肩を叩いて横を歩いていった後、千早は本当に良い笑顔をしていたんだ」
千種「それを見て私達は、千早が立ち直れたのはこの青年のお陰だって理解できたのよ」
冬馬「そうなんですか」
千種「ふふ、なにを他人事みたく……青年とは貴方のことですよ」
冬馬「お、俺?」
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