3: ◆Jx4bisrn5M[saga]
2014/09/06(土) 22:34:37.64 ID:RQa5KRUt0
京太郎「いよいよやってきんだな。この日が……」
全国の麻雀選手が注目する日本プロ麻雀ドラフト会議。今まで多くのスターを生み出してきたこのドラフトは、今の麻雀選手の輝きの塊。プロになるべくして日々切磋琢磨してきた打ち手の運命が決まる日だ。
立教大学に通う須賀京太郎もその1人である。
六大学麻雀の打ち手であった須賀京太郎もプロ志望の1人でこのドラフト会議にすべてをかけていた。
京太郎「……はぁ」
しかしながら、ため息を吐きどんよりとした気持ちを出していた。
なにせどの新聞を見ても一面には注目株である選手の話題ばかりである。この同期は”宮永世代”と呼ばれた2010年度の”黄金ドラフト”の再来とも呼ばれる選手達がいるのだから、数少ない男子である京太郎など消しゴムのカスのような存在である。
大星淡。大学BIG3の1人。全国大学麻雀2年連続連覇の立役者の1人で雀率が4割近い成績を残し、雀力は3500。凄まじい能力の持ち主である。彼女の力は対戦した京太郎が一番良く知っているが、あれはプロでも即戦力としてやっていけるだろう。勿論プロ団は淡の獲得に全力の注ぐだろう。すでの複数のプロ団が獲得に名を上げている。
次に新子憧。大学BIG3の1人。特に秀でた能力はないものの雀率アベレージはなんと淡を抜いて0.395と大学麻雀の記録を塗り替える程のもの。地元枠でもあるタイガースのラブコールが強い。こちらも対戦しているので実力的にも納得の出来るものがある。
そして最後。宮永咲。大学BIG3の中でも雀率は低く精神面でやや不安定な部分があるが、申し分ない能力とアベレージを残す。咲は昔からの馴染みなだけであって、京太郎としては誰よりも理解している。今シーズンタイトルを総ナメした宮永照の妹とくればその知名度は抜群だ。
他にも高い能力を誇る高鴨穏乃や安定感にかけるが抜群のセンスを見せる片岡優希。高校生注目株、志崎綾。社会人からは染谷まこや花田煌。どれもすばらしい選手である。
その中で歪の存在を表すのが須賀京太郎であった。
大学麻雀大会の最後。大取りの大将を務めた京太郎は大星淡、新子憧、宮永咲という顔触れに善処するも結果大敗北。終わってみれば7万点あった点数が3万点まで落ち込んで、散々であった。
そのせいもあってか、酷くバッシングを受けたものである。
京太郎(つーかあんな化け物共を相手に跳ばなかったんだから、よくやったほうだろ)
あの時の事を思い出してさらに深い息を吐く。
「なーにため息ばっかついてるんですか!」
と、声を掛けられてみれば後輩が背中を叩いてきた。
「先輩なら大丈夫ですって、なんせウチの大将っすよ!絶対プロになりますって!」
京太郎「あのメンツと一緒だとなぁ……」
勿論、上位指名を狙ってるわけではない。しかしながら、果たして自分がいざプロから指名されるかと考えるとどうも首をひねるものがある。
しかし、もうどうすることもできない。
「お、始まりますよ」
運命の時間は訪れたのだ。あとは覚悟を決めて待つしか無い。
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