63: ◆2EWtVjNbB.K/[sage saga]
2014/09/14(日) 00:47:10.36 ID:LEnzb0Kio
渡すべき相手だけが決まっている。
じきに練度も最大に達し、且つ指輪の持つ意味も含めて渡すにふさわしい相手。
提督は榛名の顔を思い浮かべ、これをどのように渡してやろうかと思案する。
今渡すべきか? それとも練度が最高の状態に達した段階で?
場所はここで? いや、そういった意味も持つのだから二人きりでどこか雰囲気のある場所ではどうか。
腕を組みうんうんと唸り、考えが纏まらないまま時間が過ぎてゆく。
指輪が支給されてから以降、息抜きと称しては毎度こうやって考えては決まらず結局机に再びしまう。
そんな日々を送り続けていた。
「誰かに相談できればよいのだが……」
しかし事が事なだけに他の艦娘に聞くのも気が引ける。
うーん、と首を捻った所で時計の針が目に入る。
一息付くぶんの時間は十分過ぎている。やはり今日も決まらなかったかと嘆息して小箱に仕舞い、引き出しへと再び眠らせる。
そうしてまた書類との戦闘を再開する。
残りの書類を読み、ぽつりと
「ああ、そろそろ戦力増強も考えねば。戦艦の建造を指示するか……」
すぐさま仕事へと思考が切り替わり、再びペンを走らせてゆく。
これを渡せる日は来るのだろうか……
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