過去ログ - 提督「心から愛しい羽黒に捧ぐ。」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/07(日) 19:46:14.46 ID:wKOPEMqDo
 杯に残った酒を飲み干してその来客を見やると、我が艦隊の旗艦、霧島であった。

「あぁ、霧島か……私に何か用事でも?」

 呂律のまわらない、焦点の定まらない私はかろうじてそれだけをつむぐ。

「お、落ち着いて聞いてくださいね? 鎮守府の他の部隊より鉄底海峡にて羽黒らしき重巡洋艦の姿を見たとの報告がありました」

 その言葉に、たまらず私は笑った。喉を鳴らして大笑いした。

 なんという残酷な嘘なのだろうか。

「はは! そうか……そうだったらどんなに良かったか……」

「信じてください! 今や鉄底海峡は敵味方の入り乱れる混迷の海です! 羽黒が轟沈したという報告が誤報かもしれません! 私たちは誰も彼女が沈むところを見ていないんです!!」

 私は空になった杯に酒を注ぎ、また一気に飲み干す。

 金属バットで頭をたたかれたかのような衝撃が襲い、そして喉が焼けて思考が淀む。


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