6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:39:12.03 ID:rwKse1D30
「何か言いました?」
「いや、別に」
にっこり笑った妻の目線を受け流しつつ、私は食卓の上の新聞紙に目を移した。
芸能欄は、相変わらず色々なアイドルやタレントのゴシップや速報で埋め尽くされていたが、その中にあずさの名前や姿は載って居なかった。
「ねえ、貴子。最近あずさちゃん元気にしてるの?何だかアイドルをしてるって聞いたけど」
「ええ、あずさの無鉄砲にも困った物だわ。あの子にあんな強情さがあった何て」
「知ってたんでしょ?」
「まあねぇ」
今日は義姉が我が家に来ていた。おせっかいを焼くのが大好きで、今日もあずさにお見合い写真を持って来たらしい。
「あずさちゃん、あんなに可愛いんだから直ぐに売れるわよぉ」
「そうかしら」
「そうでなくても、ほら、こんなにお見合い写真が」
「もう、姉さん。こんなにあっても」
「あずさちゃんに見てもらうだけ見て貰ってよぉ。まだ若いって言っても、あずさちゃんだって直ぐにおばさんになっちゃうわよぉ」
「姉さんみたいにはならないから大丈夫よ」
相変わらず飽きもせず、よくやる物だとボーっとしていると、不意に義姉の目線がこちらへ向く。
「父親としても、不安なんじゃないのぉ?」
「あ、いや、まあ」
「うふふっ、この人は不安だったとしても絶対に口には出さないの。行動でバレバレですけどねぇ」
「煩い!お茶!」
「はいはい〜」
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