過去ログ - 小鳥「今日からX0歳のワタシ、デビュー!」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/09/09(火) 23:30:39.85 ID:cxKpVZ9to
「笑うことないじゃないですか」

彼は少し恥ずかしそうに頭を掻きます。
その行動すら子供のように感じられて私はなおのこと笑ってしまいました。

「……実はですね」

「…はい?」

ひとしきり互いに笑うと、彼は照れながら「それ、僕が挽いた豆で淹れたんです」と言いました。
『嫌いではない』は撤回させてもらいます。

「プロデューサーさんが?」

「はい。…で本当のところどうでした? 飲めなかったら捨ててくださいね?」

「いや、そんな。美味しいですよ。私は好きです」

…言っちゃいました。コーヒーの味の事なのに、なぜか変に意識して顔が熱くなってくるのがわかりました。
そんな私に気づいていないのか、彼は最近コーヒーに凝り始めたこと、自分でも焙煎してみようかと考えていること。
休日は豆を買いにいろいろ出歩いていること。止まることなく動く彼の口を眺めながら、私は少し苦いコーヒーを口に含みます。

「あ、すみません。つまらないですよね」

夢中になって話していることに気がついたのか、彼は突然話をやめてしまいました。

「いいえ、楽しそうに話しているから思わず聞きこんじゃって」

私は素直にそう返しました。

「あはは、そんないいですよ。無理しないでください」

「無理なんかしてませんよ、…すごいですね。私もコーヒー豆から淹れてみようかな?」

「楽しいですよ、すごく」

「ふふっ、私もプロデューサーさんみたいになっちゃったりして」

「あ、バカにしてますね?」

私がいたずらっぽく言うと、今度は少し拗ねたような顔で機嫌を悪くしたポーズをとって見せてきました。

「ふふっ、冗談ですって、ごめんなさい」

「…まあ、許しましょう」

また二人で顔を見合わせると思わず互いに吹き出してしまいました。



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