12: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 00:09:41.20 ID:9YRL4xBs0
「あれか? 見せ掛けで超ビビってるな?」
私が黙っていると米倉さんはズボンのポケットに手を突っ込んで、何かを取り出しました。
13: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 00:18:32.01 ID:9YRL4xBs0
「おい、色々と辛いか?」
現在進行形で辛いです。帰ろうにも道が分かりません。日も暮れてきています。
14: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 00:26:08.32 ID:9YRL4xBs0
森の中に突然現れた櫓の前で、米倉さんは立ち止まりました。
「えっと、これは……?」
15: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 00:33:04.77 ID:9YRL4xBs0
どうやらこの櫓は米倉さんの別荘らしく、米倉さんはハシゴを悠々と登っていきます。
「ゆっくりしていかなぁアカン」
16: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 00:40:18.05 ID:9YRL4xBs0
「もう終わりだぁ!」
そう言って米倉さんは、私を引き上げてくれました。
17: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 00:47:49.88 ID:9YRL4xBs0
「ヘイ、どうぞ」
米倉さんが持ってきた皿には、あんかけチャーハンではなくきな粉のかかったわらび餅が乗っていました。
18: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 00:57:40.91 ID:9YRL4xBs0
「つい最近は……岩に隠れとったんか?」
わらび餅を食べながら、米倉さんが聞いてきます。
19: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 01:02:58.60 ID:9YRL4xBs0
「辛いなモー娘が消えて」
「モー娘さんっていつの時代ですか……アイドルに興味あるんですね」
20: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 01:10:54.77 ID:9YRL4xBs0
「えっと、私も一応アイドルです……あ、アイドルと言ってももう辞めるつもりで、でも本当に辞めるってわけじゃあ……」
「わからん、何言いたいか……」
21: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 01:16:45.19 ID:9YRL4xBs0
確かにその通りです。こんな自分でも、アイドルを続けていけば変われるかもしれない。そんな希望を捨てきれない。
「でも、握手会とか、ファンの人と触れ合うのがまだ少し怖くて……」
22: ◆4z2E.PK0ZYHD[saga]
2014/09/11(木) 01:24:15.84 ID:9YRL4xBs0
次の日、米倉さんは私を森の出口まで連れて行ってくれました。
「あの、ありがとうございました……これからもちょっとずつ、頑張ってみようと思います……」
32Res/11.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。