15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:17:19.63 ID:xJ/EUPVr0
たとえばアイドルデビューしてから1年ちょっと、ほとんど報われないような生活をしてたのにプロデューサーさんはずっと応援しててくれた。このアイドル戦国時代、きっと1年でやめてしまった、やめさせられてしまった子たちも間違いなくいたはずでそんな中、なかなか芽が出なくても懸命にプロデュースをしてくれたプロデューサーさんが好きだとか。
小さい頃から憧れていたアイドルという職業。その一歩目としてかけたこの事務所への電話はよく覚えている。
「卯月さんはどんなアイドルになりたい?」
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2014/09/11(木) 05:20:38.74 ID:xJ/EUPVr0
私の夢はアイドルになること。なら今は?その先は?
「……き? 卯月ー? おーい?」
あれ、プロデューサーさん……?
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2014/09/11(木) 05:21:29.50 ID:xJ/EUPVr0
帰りの車の中、珍しく静かな空間。
「あー」
はい? どうかしましたか。
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2014/09/11(木) 05:39:47.20 ID:xJ/EUPVr0
私、夢叶っちゃいました。それでどうしようって。わからなくなって。アイドルもお仕事も楽しいんです、毎日毎日素敵なことがあって。
なのに。
なのに。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:40:37.95 ID:xJ/EUPVr0
「俺はさ」
はい……?
「今だから言うけど。俺は、間違いなく、卯月のことが好きだ」
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2014/09/11(木) 05:41:24.12 ID:xJ/EUPVr0
「なんだよその反応傷つくなぁ。……仕事が辛い時も卯月の笑顔で癒やされてさ。今となってはたくさんの娘をプロデュースしてるけど当時はお前だけだったろ? あれ実はな、社長に頼んでソロにしててもらったんだよ」
そんなことがあったんですか……。ただでさえプロダクションは人が足りてないのに。
「まーいいじゃないか。んでさ、俺としてはお前はまだまだ輝き足りないと思う。俺が好きな卯月は辛い時だって、暑い時だって寒い時だって、笑顔の魔法の達人だけど。お前ならもっと上に行ける」
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2014/09/11(木) 05:42:01.66 ID:xJ/EUPVr0
「そう、上。シンデレラガールなんて目じゃないぞ。あの765プロアイドルだって超えていけるアイドル。トップアイドルになれる」
輝きの向こう側……。トップアイドル……。
「お前の夢はもうおしまいなのか? どうせならもっとでかい夢にしようぜ? 舞浜で俺になんて言ったっけ、俺は覚えてるぞ」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:42:39.54 ID:xJ/EUPVr0
プロデューサーさんが現れて、私の物語は始まりました。プロデューサーさんは、私に素敵な魔法をかけてくれましたよね! キラキラした世界で、私をアイドルにしてくれました。夢を、夢のまま終わらせないで、形にしてくれた。でも、夢はもっと大きいんです。だからプロデューサーさん、私の夢、これからも一緒に叶えてください!……って。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:43:55.69 ID:xJ/EUPVr0
大きな、夢。
今の私にはあの765のアイドルたちを超えたところなんて想像もできない。
けどいつか。まだ夢を見てもいいのだろうか。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 05:44:37.60 ID:xJ/EUPVr0
コンビニを出て再び国道を走る私たち。
「あ」
まだなにかあるんですか?
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2014/09/11(木) 05:45:16.07 ID:xJ/EUPVr0
「けど?」
今度の夢が叶ったら、いえきっと叶えますが。その時が来たらまた、聞かせてもらえますか?
「……………」
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