521:書き溜めないよー[saga]
2014/09/23(火) 11:15:40.86 ID:UStQIYQb0
「はぁ・・・・・・」
元気は、夕日の赤い光が照らす公園のベンチで溜息を吐いた。
テロ組織――とはいえ、電波ジャック以外には何もしていないが――の事に気付いたのに何もできない。
正義の味方のように戦いたかったが、それは叶わない。
「何やってんだろうな、俺は」
「どうかしましたか?」
不意に、頭上から声が降ってくる。
「あ・・・・・。管理官さん」
「どうしたのですか?何か悩み事ですか?何かあるならこの町の新人管理官、アナスタシアにご相談ください!!」
眼鏡をかけた女性は、やんわりと笑う。
「これでも、辛い経験はそれなりにしてきてるんですよ?」
「・・・・・ありがとうございます、ええと・・・」
「アナスタシア」
「アナスタシアさん。大丈夫です」
瞬間、全てこの人に打ち明けようと思ったが、拓がテロリストである事には明確な証拠がない。
何より、姉の顔が頭を過ぎる。
「俺・・・・私は、何も問題ありませんから」
「そうですか・・・・。何かあったら、いつでも局へ相談に来てくださいね!・・・・あ!でもでも、今日みたいに巡回に出ているときもあるのでいつでもとはいきませんが、その時は、えっと、その、ど、どうしよう?」
「・・・・・・・ふふっ。少し元気が出ました。では、失礼します」
「え、あ、ちょっと待って下さい!」
立ち上がりアナスタシアを振り返ってにっこり笑うと、手を振って歩き出した。
554Res/97.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。