16: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:26:06.99 ID:L+7u/Q1o0
午後七時。
誰もいない部屋の中で、アスカはテーブルに突っ伏したまま、ぼんやりとシンジの部屋のふすまを眺めていた。
シンクロテストも終わり、着替えを済ませたパイロット達はそれぞれとっくの昔に自宅へと帰ったのだが、今、ミサトの家にはアスカ一人しかいなかった。
「僕、スーパーに寄って買い物してから帰るから」と、シンジ。
「私はチョッチまだお仕事が残ってるからねー。今日は多分、帰りがかなり遅くなるから先に夕飯食べて寝てて」と、ミサト。
その後ろではツルピカの青葉が涙目で仕事をしていて、ロン毛のリツコはため息を百回ぐらい吐いていた。
更にその後ろでは、マヤが青葉の頭にレーザーポインタを当てて反射するかどうかの実験をしていた。
「そ。じゃ、アタシ、先に帰ってるから」
アスカはくるりと踵を返して、誰にも聞こえない様な小さなため息を吐いた後、一人で家へと帰ったのだった。
胸にぽっかり穴が空いてて、その中を冷たい風が通り抜けていくようだった。
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