108: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/10/13(月) 23:34:18.46 ID:xRKE2vuiO
返す言葉はなかった。
至極正論だった。
死者の正体を詮索することなど、こと戦争においてはなんの意味もない。
死者が決して戻ってこないことを、軍人ほど実感している者は他にいないからだ。
加賀が、飛龍たちが、そして提督が、たった今ミッドウェーでなにをしたのか。
赤城の推測――赤城にとってはもはや紛れもない事実――が正しいとした場合、なにを「してしまった」可能性があるのか。
考えるだに恐ろしいことだった。
だから赤城は諦めた。
怪物の正体を彼らに認めさせることを、今は諦めることにした。
「了解しました。ですが提督、最後に一つだけ」
ただ、一つだけ。
「なんだ」
一つだけ、どうしても明らかにしておかねばならないことがあった。
どれほど不毛な行為だとしても、それだけは聞いておかねばならなかった。
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