11: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:16:00.23 ID:4ZFYR2uVO
「ええ。あなたたちがいつも通りであるように、私もいつも通りの私です」
食に充足している、というささやかで偉大な幸せを実感しながら、赤城は微笑みで返す。
「一日の始まりは朝食から。心気健やかに保つためには、あなたぐらいの態度の方が良いのかもしれないわね」
「ほほう。その実赤城さん以上の健啖家たる加賀さんが仰ると説得力があるわね。ねえ飛龍?」
「なっ」
「ええ、健啖なのは素晴らしいことよ。多聞丸だってそう言ってたわ!」
「結局先輩は山口提督なんですね……あはは」
加賀が、蒼龍が、飛龍が、翔鶴が、めいめい笑顔でそれに続いた。
加賀などは二航戦にからかわれて頬を少々染めていたが、おおむね平和な光景だった。
人間にしろそうでないにしろ、他のものが少し足りずとも、胃さえ満ちていればこうして和やかな時間を送れるものなのだ。
食後のお茶を啜りながら、赤城はそう独りごちた。
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