222: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/10/27(月) 23:26:44.76 ID:gTKzosiyO
永遠にも等しい一秒間ののち、赤城は目を開けた。
痛みがない。
身体が動く。
死んでいない。
(そんな、なぜ、私は生きて……今確かに銃声が……銃声?)
音の残滓は冷たい風雨に流されてしまっていた。
しかし間違いなく、今の音は銃声だった。
砲声ではなく、銃声だった。
「……エ?」
怪物が右のこめかみを押さえていた。
銃弾が一発、そこに着弾したのだ。
ダメージは微塵も通っていない。
通常兵器による攻撃だからだ。
そして通常兵器とは、人間の扱う武器のことだ。
そこまで考えが至ってようやく、赤城は音の発生した方向を見た。
敵の目の前だということも忘れて振り向いた。
怪物もまた、振り向いた。
艦があった。
極限まで兵装を取り払い、船足のみを追求した非自律艦。
赤城はその艦を知っていた。
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