過去ログ - 赤城「なまえのないかいぶつ」
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38: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:32:17.99 ID:sf6OOFz8O

「この際、はっきりと、申し上げておきます」

「うむ」


男は精一杯の威厳をかき集めて頷いたつもりだったが、果たしてどこまで効果があったことか。


「この赤城。提督と過ごす時間を、無駄だなどと思ったことは」


赤城が一拍、小さな呼吸を挟む。
心なしかその耳朶が赤みを帯びていた。


「一度たりとも、ありません」


心なしか、ではなかった。
赤城の頬は、ついこの間見た夕焼けと同じ色をしていた。



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