5: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:04:59.95 ID:4ZFYR2uVO
言葉ほどには棘のない加賀の表情を眺めながら、赤城は曖昧に笑った。
実際、夢見は悪かった……ような気がする。
「夢? どんな?」
「……それは覚えていませんけれど」
「はぁ。まあ、夢とは得てしてそういうものかもしれませんね」
「でしょう? 大した意味はありませんよ、夢なんて」
「その『大した意味のないこと』で無様に寝台から転げ落ちるのです。よほど気が抜けていると見えるわね」
話を逸らしたつもりが藪蛇だったようだ。
これ以上の論戦に収穫はないと見切りを付け、赤城は跳ね起きた。
ことさら明るい声色で問いかける。
「今朝のご飯はなんでしょうね、加賀さんっ」
「さあ?」
取りつく島もなかった。
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