1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:34:21.13 ID:hdwyRXFHo
阿笠「これが……光彦君を痛めつけ、死に至らしめんとする世界に終止符を打ち」 
  
 阿笠「彼を救済するための……彼を、絶望から救うためのスイッチじゃ」 
  
 コナン「……本当かよ、博士」 
  
 阿笠「ああ、やっと……やっとできたのじゃ」 
  
 コナン「そのスイッチを押せば、光彦は救われるのか?」 
  
 阿笠「そうじゃ」 
  
 阿笠「すべての平行世界……ありえた世界の光彦君を……悲惨な運命の渦から救い出すことができる」 
  
 コナン「よし、じゃあ早速そのスイッチを押そうぜ」 
 
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:35:05.17 ID:hdwyRXFHo
 阿笠「まて新一!」 
  
 コナン「なんだよ博士……! 一刻も早くスイッチを押さねーと、またどこかの世界で光彦が殺されちまう!」 
  
 阿笠「それはわかっている! しかし、このスイッチは押して終わり、押せばみんな幸せ、大団円というようにうまくはできておらん」 
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:35:36.81 ID:hdwyRXFHo
 コナン「自らの存在を消す……? つまり、死ぬってことか?」 
  
 阿笠「いや、死ぬよりももっと残酷な運命といっていいじゃろう」 
  
 阿笠「押した人間の骨も、髪の毛一本もこの世界には残らん……それだけではない」 
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:36:15.54 ID:hdwyRXFHo
  
 阿笠「スイッチを作る上で、何とかこのデメリットをなくしたいと、何度も試行錯誤を行ったが……」 
  
 阿笠「どうしても、取り除くことはできなかった……」 
  
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:36:59.49 ID:hdwyRXFHo
 コナン「正気か!? 博士!」 
  
 阿笠「ああ、正気じゃよ」 
  
 阿笠「ワシにはあいにく、嫁もおらんし……ワシ一人が居なくなったところで、困る人間なんておらんじゃろう」 
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:37:41.65 ID:hdwyRXFHo
 コナン「バーロー、博士がいなくなって困る人間だって大勢いるんだよ」 
  
 コナン「第一、博士の発明が無かったら、小五郎のおっちゃんの探偵事務所なんてとっくの昔になくなってるぜ」 
  
 コナン「俺が事件を解決するうえで、博士の力がどれほど大きなものだったか……わかんねーのか?」 
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:38:12.42 ID:hdwyRXFHo
 阿笠「……」 
  
 阿笠「……くっ」 
  
 コナン「ハハ、何50超えたおっさんが泣いてんだよ、みっともねーな」 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:38:48.49 ID:hdwyRXFHo
  
  
 コナン「……フゥ」 
  
 コナン「そんじゃ、光彦を助けてくるぜ」 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:39:19.66 ID:hdwyRXFHo
 ……ここは 
  
 『ぎゃあああああああああああああああ』 
  
 ……どこだ 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:41:47.49 ID:hdwyRXFHo
 …… 
  
 …… 
  
 ……助けに来てやったぜ 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:42:21.42 ID:hdwyRXFHo
 …… 
  
 光彦「……」 
  
 …… 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:42:57.40 ID:hdwyRXFHo
 光彦「え?」 
  
 何人、何十人、何百人もの俺が……俺たちが、お前を痛めつけちまってよ 
  
 光彦「……」 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:43:37.13 ID:hdwyRXFHo
  
 光彦「そして何より……僕のことを……こんなにも大切にしてくれる友人がいる……!」 
  
 光彦「僕こそ謝りたい! 僕なんかのために……こんな、むごいことを……!」 
  
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:44:07.98 ID:hdwyRXFHo
 光彦「そんなこと……!!」 
  
 けどよ 
  
 そう思ってくれただけで、俺は嬉しいぜ。助けたかいがあるってもんよ。ありがとな、光彦 
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:44:36.48 ID:hdwyRXFHo
 光彦「コナン君!!」ガバッ 
  
 光彦「……」 
  
 光彦「……あ、あれ……」 
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:47:12.63 ID:hdwyRXFHo
 学校に行っても、コナン君は見当たりませんでした。 
  
 博士の家へ行っても、事件が起きても…… 
  
 コナン君は現れませんでした。 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:47:39.86 ID:hdwyRXFHo
 放課後、河川敷を訪れると、眼鏡をかけた少年がサッカーをしていました。 
  
 つま先でボールを思い切りけり上げると、ボールはあらぬ方向へと飛んで行ってしまいます。 
  
 ごめん、という声と、いいよ、という声が二つ、聞こえました。 
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/14(日) 23:58:44.92 ID:hdwyRXFHo
 数十年後 
  
 彼は漫画を描いていた。 
  
 ある一人の小学生探偵が、数々の難事件を解決していくものであった。 
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/15(月) 00:00:33.11 ID:VmqB1f0Xo
 そんなある日 
  
 掲示板サイトの、ある板に 
  
 その後の歴史を大きく揺るがす、一つのスレが立ったのである。 
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/15(月) 00:01:11.78 ID:VmqB1f0Xo
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/15(月) 00:08:07.45 ID:2sRs7CDAO
 救われねえな光彦 
 乙 
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