過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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106: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/11/28(金) 00:57:37.74 ID:rRVkEB150
カルロ「だからといってホテル暮らしじゃ金もすぐに尽きるしな」
カルロ「それなら部屋探しが終わるまで、うちの空いている部屋を格安で使ってもらうのはどうだろう…って」
カルロ「そうミチコが言い出したんだよ」
咲「それが、あの屋根裏部屋ですか?」
カルロ「あぁ。旅行客に使ってもらうには不便すぎるだろ?昔からあんまり人気もなくて、もてあましていてね…」
カルロ「まぁ、お互いにメリットがある名案だったてことさ」
最初の駆け込み客はミチコを頼ってやってきた年下の従妹だった。
それ以来、二人の親戚や友人の紹介を持って様々な人々があの屋根裏部屋の世話になってきた。
カルロ「もちろん和もだよ」
咲「そうなんですか」
朝食を準備しながらカルロの口はポンポンと調子よく開く。
それに相槌を打っているうちに、咲の目の前には様々な皿が並んだ。
焼きたてのクロワッサンにハムとチーズ、それにオレンジジュースのグラスである。
仕上げに「コーヒーと紅茶、どっちにするかい?」と訊かれ、少し悩んだあとに紅茶を選んだ。
カルロ「Bonappetit!これがパリジャンの朝ごはんだ」
カルロ自慢のクロワッサンは日本では見たことがないくらい大きなものだった。
口に含めばすぐにぱりぱりと音をたてて皮が崩れ、バターの香ばしく甘い香りが咥内いっぱいに広がる。
量は決して多いとは言えないが、少食の咲にとっては充分だった。
それどころか朝からチーズなんて食べられるか心配していたくらいである。
ところが、しっかり肉の味のするハムとの相性が抜群で、平らげるのに何も苦労はいらなかった。
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