過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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148: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/01/21(水) 20:50:18.36 ID:Ev0pzMFs0
貴子「元々はある富豪が妻に送った舞踏会用の別邸で、ご覧の通り中国風の意匠が随所に施されています……咲」
咲「はい。Ah,here is one of the historic theater in Paris. Originally, it was……」
久方ぶりに頭をフル回転させながら、咲は貴子の言葉を英語になおしていく。
流されるままにはじめた貴子の手伝いは想像以上に楽しいものだった。
いくら英語が出来るといえども、専門的な言葉となると難しい。
電子辞書が片時も離せない不恰好な通訳になってしまったが、
貴子にも彼女のクライアントにもそこそこ評価をもらえている。
今日は仕事を始めて三日目だった。
前半はパリの中心地として名高いオペラ地区を巡り、
念願だったルーブル美術館にも少しではあるが滞在することが出来た。
今はセーヌ川の向こう岸に広がるサンジェルマン地区を周っている。
高級デパートが立ち並ぶハイソな雰囲気の右岸とは違って、どこか下町を感じさせるエリアだ。
妖艶で退廃的な香りのする古い映画館、学生街でもあるこの地区で愛されてきた本屋、
最新鋭のファッションアイテムをそろえたブティック――様々なパリの一面を楽しませてもらったあと、
咲たちは貴子オススメのカフェで一息ついていた。
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