過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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163: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/01/21(水) 21:51:30.08 ID:Ev0pzMFs0
咲「んぁ……っ」

どさり、という音と共に、咲の意識が浮上する。

背中に固いスプリングの感触があって、ベッドの上に投げ出されたのを知った。

和「ようやく我に返ったようですね」

そう笑った和が咲の額にかかった髪を梳いていく。

和「隙だらけで揉みくちゃにされて。最後には私にあんなことまでされて…」

声は陽気そうだったけれども和の眉間には皺が寄っていた。

和「言っておきますけど、私は謝りませんから」

吐き出された言葉とは裏腹に、和の顔がくしゃりと歪む。

何かを堪えるように唇を噛み締めていたかと思うと、おもむろにその場を立ち去ろうとする。

寸でのところで、咲はその裾を掴むことができた。

咲「謝らなくていいから、教えてほしいな」

和「……何をですか」

咲「どうして私にキスしたの?」

そう言った瞬間、和の瞳がぐらりと大きく揺れた。

和「……ただ悪ノリしただけです」

咲「そういう答えに逃げないで」

言われた言葉に、和がひくりと喉を動かした。

咲「普通……友達同士なら舌をつっこむキスなんてしないよね」

和「……」

咲「ねぇ、和ちゃん……」

咲はじっと和を見つめた。

色んな熱にあてられた今は、情けないことに思うように体を動かせない。

ベッドに転がされたまま視線で和を引き止めることしかできなかった。

咲「和ちゃんにとって、私はどういう存在なの?」

口にした途端、咲の中でモヤモヤとしていたものがはっきりとした形となっていく。

そうだ、ずっと気になっていた。

再会は偶然だとしても、それ以降の二人をどうやって説明すればいいのだろう。


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