過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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17: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:44:58.31 ID:IfVJEPyJ0
咲「先日予約したサキ・ミヤナガです。シングルルームをお願いしていると思うのですが……」
咲の言葉に女性は何も返さなかった。黙ったままパソコンを弄りはじめる。
しばらくして咲の予約を見つけたらしい。
デスクから鍵を取り出すと、咲によこしてきた。
女「5階、515号室」
咲「メ、メルシー……」
終始ニコリともしない従業員に面食らいながらも、咲は言われた部屋へと向かおうとした。
咲(5階ということは、エレベーター使った方がいいかな)
そうしてくるりとエレベーターの方を向いたところで、咲はまた呆然とすることになる。
咲「え、故障?」
人一人がやっと入れるくらいの小さなエレベーターには張り紙がしてあった。
フランス語はよくわからないが、なんとなく壊れていることはわかる。
何より紐か何かで封鎖されてしまっているのだ。
戸惑う咲に、例の女性が「階段!」と冷たい声を投げかける。
辺りを見回せば、古ぼけた螺旋階段が目に入った。
咲「これを登っていくの?……5階まで?」
くらりと眩暈がするけれども、他に方法があるわけもない。
咲はぐったりと重い体に鞭打つと、のそりのそりと階段を登りはじめた。
咲(スーツケースじゃなくて、本当によかった……)
――もっとも、悲劇はここで収まらなかった。
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