過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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184: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/03/12(木) 22:02:22.33 ID:QS4zXBMr0
憧「ところで、宮永さんはお菓子を作ったことがある?」

咲「え、うん。たまに作るくらいだけど」

憧「そう。製菓で何が一番大変だと思う?」

咲「うーん、やっぱり味付けかなぁ」

憧「たいていの人はそう思うのよ。でも実は違うの」

咲「違う?」

憧「ん。泡立てや混ぜる作業なの。意外でしょ?」

咲「へぇ……」

憧「味覚っていうのは案外意識して鍛えられるものなの。流行の味は、時代や地域によって随分変わるしね」

憧「でも「混ぜる」となると勝手が違う。単純だからこそとても難しい」

憧「作る菓子の種類、材料、その日の気温――そういった要因にあわせて、混ぜ具合を変えていかなくてはいけないの」

憧「どれぐらい混ぜるのか、最初と最後の力の入れ具合も考慮しなくちゃいけない」

憧「そういった絶妙な力の配分というのは、どうしても才能によるところが大きいのよ」

咲「へぇ…お菓子作りにも色々とあるんだね」

憧「そう、案外奥が深いのよ。でね、和はこれが天才的にうまかったの」

咲「和ちゃんが?」

憧「ん。そういう才能はパティシエにとっても大きなメリットなのよ」

憧「で、周りの人間は小手先の技術でそれを補おうと必死でね。でも和にはそれが分からない」

憧「分からないから――サボっているようにも見えたんでしょうね」

咲「えっ……」


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